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同級生はヴァイオリニスト
第1章 再会
「え……………」
「由美~喜びすぎ☆」
「喜んでるように見えますか?」
「ノーコメントです…」
(久しぶりに会ったにしても調子に乗りすぎではないのかね?真紀さん?…)
着いたのは大きな音楽ホールの前。
入り口には『瀬野彰也 バイオリンコンサート ツアー最終日』と書かれたポスターが貼ってある。 「いいじゃん~6年ぶりの彼氏のバイオリンの音だよ?」
「元・彼氏です」
そう。“瀬野彰也”は私の元・彼氏。
高1の夏休みから付き合い出したけど、彰也は国内の音大にいってからは音信不通…いわゆる【自然消滅】。
一番会いにくいやつ。
真紀さんは何をしてくれてるんだい???
「私が来るって彰也は知らないよね?」
「知ってるよ」
(この方は悪魔の使いでしょうか?????)
「だって瀬野くんのコンサートのチケットは倍率20倍だよ?とれるわけないじゃんwだから優しい真紀様が瀬野くんに直接交渉してあげたわけ♪一番前の席だって♪瀬野くんも喜んでたよ♪」
(あぁ神よ。彼女に制裁を~)
「私お腹いたいから帰る」
「嘘はよろしい」
「………」
「早くいくよ?」
「…………はい。」
「国民的ピアニスト様はこれをお召しになって下さい。」
「ありがとう。すごく皮肉に聞こえるけど…」
マスクとだてめがねを着けながらしぶしぶ会場に入った。
まわりからは色々な声が聞こえてきた。「あれって二階堂由美じゃない?彰也さんとまだ付き合ってるのかなぁ?」「彰也さんは私のもの!!」「二階堂さんじゃん!コンサート終わったらサインもらいにいこ♪」…