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自殺願望~ねこと私~
第2章 キララ
家に帰ると玄関扉はキッチリと閉まっていた。

中に入ると、家には似つかわしくないコンソメの匂いがした。

キッチンなんて使った事ないのに……
鍋はあったと思うけど、コンソメはどこから用意したのか……


シャワーを使った形跡とベッドには猫っ毛が見えた。


どうしたもんか……

とりあえず、換気扇の下で煙草に火をつけた。

そこには蓋のしてある鍋があった。

コンソメはこれか?

蓋を開けるとセロリと玉ねぎとベーコンのスープがあった。


正直、こうゆうのは苦手だ。

部屋に誰かいるのも居心地が悪いし、手料理を作る男なんてヘドがでる。

猫っ毛は何がしたいんだろう?

私は男の考えてる事は大体わかる。でもアイツは何を考えてるかわからない。

ベッドの猫っ毛を蹴り飛ばすとゴロゴロと床に落ちて目を覚ました。
蹴られたことに文句も云わない。
「おかえりなさい」
口をムニャムニャと動かした。


まどろっこしいのは苦手だ。

だから率直に聞いた。

「何が目的?」


「目的なんてない……」
微睡(まどろ)みながら目をこすり、答えた。

床からすくりと立ち上がり窓の外を眺めた。

まんまるの月が出ていた。

それに魅入っている。


思い出した様に振り返りこちらを見つめた。

「拾ったんだから、ちゃんと飼ってよ」

「……」

暗い部屋の中で月明かりに照らされる姿は白く朧げで、私は欲情した。

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