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砂の人形
第7章 遠いオアシス
 そして、二日目の昼の移動を開始した。

「今はダメですよ、姫様」

 駱駝の上で船をこぐ姫様をたしなめて、僕は、強引に彼女のまぶたを持ち上げた。僕に背中を預けていた姫様は、慌てて背筋を伸ばす。

「寝てないわよ。ちょっと考え事してただけ」
「寝てましたよ。いびきをかいて、お休みでした」
「えっ」
「嘘です」

 姫様は顔だけこちらを振り返り、僕を睨みつけた。……とても眠そうな目で。

「何度も申し上げたでしょう。深夜と真昼以外の時間に眠ってはいけません。規則正しく生活することが、砂漠病の一番の対策です」

 言っているそばから、姫様の体がまた、僕の胸に倒れ込んでくる。小さく開いた唇の間から、浅い寝息が聞こえる。抱きすくめたら折れてしまいそうな背中の感触や甘酸っぱいにおいに、体の奥からざわめきが押し寄せてきた。

 僕は息を潜めて、砂除けの継ぎ目から片手を差し入れた。胸元から肌を這って、頂を擦り上げる。腕の中の姫様の様子は変わらない。すぐに飛び起きてくれれば、ちょっとした悪ふざけで済ませることができたのに。僕は奥歯を噛み締めて……柔らかい肌に指を沈める。
  嫌われることを恐れながらも、毎日夢中で触れた体。昨日、あと少しで僕のものになるところだった体。爪の先で優しくなぞると、鳥肌を立ててほぐれていく。先端を硬くするときに浮かぶ血色が、今、僕の指の間で綻んでいくのが分かる。息を殺して没頭する僕の膝の間で、姫様の背中が弧を描いた。
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