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砂の人形
第9章 耳をふさいで
 僕は姫様の腰紐を解いて、下着の中に手を入れた。ほとんど濡れていなかったのに、僕の指が数度なぞるだけで、すぐに熱いものが滴ってくる。姫様は両腕を突っぱねて抵抗したが、ほとんど力は入っていない。

「やだ、テルベーザ、やめて!」
「愛されていないのに触られるのは嫌ですか? それにしては濡れてますね」
「ダメ、いや!」

 乳首を舐り、勃起した陰核を扱きながら前門に指を押し込む。内壁を関節で突き上げると、姫様はすぐに声を上げて達した。

「すっかり乱れてしまいましたね。一年前のあなたからは想像もできません」

 呆けた表情で僕を見上げる姫様を四つ這いにさせると、指を唾液で濡らして、再度秘所の肉をかき分ける。

「だっ……駄目、テーゼっ……! 今はっ」
「いった後の方が良いんでしょ? いつもそうでしたね」

 腰を高く上げた姫様がよがり、体をひねるたびに、いやらしく水音が響く。堪えきれない短い矯正が、僕の指に合わせて従順に溢れるのが、愛しくてたまらない。姫様。僕なんかでよければ、どこまでもお供させてください。どこに行ったって、僕があなたを喜ばせてあげる。だから、アルムカンのことはもう忘れて。

「こんなに淫らになられて……ペテ様もお喜びになるでしょう」
「っダメ! テーゼっ……もう駄目、いやっ」

 逃げようとして悶える体を抱きしめて、火照った背中に頬を寄せる。シミ一つない綺麗な背中。その肌を吸いながら、絶頂を繰り返す体を苛み続ける。そうだ、この癖ももう直さないと。

「テーゼ、テーゼっ」

 四つ這いのまま無理にこちらを振り向いて、姫様は頬も耳元も、目まで赤く染まっていた。

「ねえ、お願い」

 不規則な息づかいの下、押し殺すような声で、姫様は囁いた。
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