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潮騒
第8章 正一郎の過去 ー引潮ー
笑ったはずなのに…
いきなり正一郎にぐっと抱きしめられる。

「すまん…菊乃…お前を泣かしたかったんやない…」

菊乃の顎を支え、そっと上を向かせた状態で、正一郎が菊乃の頬を拭う。

「お前やから、この家で嫁としてやって来れた…タエにも、チヨにも、お袋にも負けん。お前はええ嫁や。きっとトキエには、この家の嫁は勤まらん…」

正一郎の身体が、ふっと離れる。

「…出て行かんとってくれ…トキエのことは忘れる。」

「信用できん。」

「忘れる!この通りや、頼む!」

布団の上に両手をつき、正一郎が頭を下げた。
菊乃は思いもよらぬ光景に目を瞬かせる。

「ホンマに、忘れられるん…?」

「忘れる!」

「男に二言はないな?」

「ない!」

菊乃はそっとその手に触れた。
おずおずと顔を上げた正一郎の首に腕を回し、唇を重ねた。
正一郎の腕が菊乃を掻き抱く。

「私だけや、って言うて?」

「お前だけや。俺には、お前しか居らん。約束する。」

「二度目はないで?」

「あぁ…わかっとる…」

蚊帳の中、ふたりの身体が重なった…

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