パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 青い春

「あなたはとても、優しいひとなのですね。」

思わず嬉しくて、涙を拭きながら私は笑顔になって言った。

彼はかなり驚いた表情をして私を見つめていたけれたど、視線を逸らして言った。

「ばーかちげーよ！女が泣いてたら黙って優しくしてやるのが男だろーが。」

なぜだろう。

そう言う彼がとても、素直で素敵な人にみえた。

彼の殴られたであろう傷が、急に気になり出した。

「今更ですが、その傷手当てしなくては。とても痛そうです。」

そう言ってわたしは水道まで走っていき、ハンカチを濡らして嫌がる彼の頬を冷やした。

「この傷、殴られたのですか？」

そう聞くと彼の表情に一瞬影がさした。

彼は私に頬を冷やされながら、うつむいて答えた。

「大したことない。いつものことだしな…」

彼の頬を冷やしながら、わたしは冷静に彼を見つめた。

伏せると長いまつげ、少し彫りが深めで高い鼻、男性にしたら柔らかそうな唇…そんな綺麗な顔なのにいま冷やしている頬に傷が２本深く刻まれている。

「よく近くで見てたはずなのに、おまえすごい綺麗な顔してるのな」

彼はそういうと、私のハンカチを持った腕をつかんだ。