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茜色の空に
第6章 秋風の狂詩曲
冬が過ぎ春になった。
私は17歳にして初めて姉になった。
父と蘭さんの間に男の子が産まれた。
名前は拓人と名付けられた。
ずっと欲しがっていた男の子が産まれて、父はとても嬉しそうである。
下手したら親子の年ほども違う弟が可愛くて、わたしは出産後大変な蘭さんのかわりに面倒をみたりして忙しく過ごしていた。
気がつけば3年生に進級し、また圭子と田辺くんとは同じクラスだった。
「ねー、倫子はやっぱ大学に進学するのー?」
圭子にそう聞かれてわたしは頷く。
「そうですね。わたし、東京の大学目指してみようかと思うのです。」
圭子はそれを聞いて少し寂しそうな顔をした。
「やっぱ倫子はあたまの出来がちがうもんねー。あたしも東京いきたいー!」
倫子がそう言うとわたしはそっと耳打ちする。
「でも田辺くんと遠距離恋愛とか、圭子は寂しくて耐えられないかもしれませんよ?」
圭子にそう言うと真っ赤になって下を向いてしまった。
晴れてこの冬に、圭子と田辺くんはお付き合いすることになったらしい。
屋上で私の事を田辺くんに相談しているときに、かっこよく田辺くんが告白してくれたノロケ話を、もう何回聞かされただろうか。
でも二人が幸せなのをみると、お裾分けされてるみたいで嬉しかった。
私は17歳にして初めて姉になった。
父と蘭さんの間に男の子が産まれた。
名前は拓人と名付けられた。
ずっと欲しがっていた男の子が産まれて、父はとても嬉しそうである。
下手したら親子の年ほども違う弟が可愛くて、わたしは出産後大変な蘭さんのかわりに面倒をみたりして忙しく過ごしていた。
気がつけば3年生に進級し、また圭子と田辺くんとは同じクラスだった。
「ねー、倫子はやっぱ大学に進学するのー?」
圭子にそう聞かれてわたしは頷く。
「そうですね。わたし、東京の大学目指してみようかと思うのです。」
圭子はそれを聞いて少し寂しそうな顔をした。
「やっぱ倫子はあたまの出来がちがうもんねー。あたしも東京いきたいー!」
倫子がそう言うとわたしはそっと耳打ちする。
「でも田辺くんと遠距離恋愛とか、圭子は寂しくて耐えられないかもしれませんよ?」
圭子にそう言うと真っ赤になって下を向いてしまった。
晴れてこの冬に、圭子と田辺くんはお付き合いすることになったらしい。
屋上で私の事を田辺くんに相談しているときに、かっこよく田辺くんが告白してくれたノロケ話を、もう何回聞かされただろうか。
でも二人が幸せなのをみると、お裾分けされてるみたいで嬉しかった。