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茜色の空に
第7章 春の嵐
「倫子ちゃんは大学生なんだ。その割りにはすごく落ち着いているよね。」

話してみると、藤原さんは学生の私からみるととても落ち着いてて大人だった。

顔はとても宇佐美くんに似ていて爽やかなスポーツマンに見えるけれど、とても穏やかで優しくて紳士だ。

「いえ…何故か小さい頃から敬語を使うように育てられてそのせいだと思います。たまに、ひとに距離を置かれてるとか言われることもありますが……」

私はそう言って烏龍茶に口をつける。

「丁寧に話せる女の子は俺、素敵だと思うけどね。」

藤原さんはそう言って静かに微笑んだ。

「こいつイケメンでしょ?でもなかなか彼女ができないんだよね~!好きにならないと付き合えないんだって!今回も無理矢理俺がつれてきたし!」

そうほろ酔いな隣の田中さんが藤原さんの肩をつかんで言う。

藤原さんが苦笑いしながら、田中さんに言った。

「お前らみたいに器用じゃないだけ!だってなんとなくそのうち好きになるとかないだろ?相手にも失礼だし…」

中身も外見も好青年なんだな。

わたしが最初に藤原さんに抱いた印象はそんな印象。

心のどこかで少しだけ彼に惹かれているのを認められない私は、多分心の中の彼への裏切りだと自覚していたからだと思う。

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