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茜色の空に
第7章 春の嵐
私は軽く首を振って言った。
「もう数年前の話ですから、いまだに思い出しはするけれど辛くてしょうがない時期は過ぎてしまいました。
今はむしろ怖いんです。
このまま彼の事を、私もなかった事のように忘れてしまうんじゃないかって。
でも忘れるのが自然なんですよね・・・きっと・・・」
彼の手が、私の頭に触れて軽くぽんぽんと触れられた。
驚いて見ると、藤原さんが優しく微笑んでいる。
「もし、彼氏がいて俺のことと天秤にかけているような子だったらもう金輪際会うのやめようっておもってたんだ。
俺もちょっとだけ昔の恋愛のトラウマがあってさ。
まぁ、簡単に言うと二股かけられてただけだから、倫子ちゃんのトラウマよりもぜんぜん軽いとは思うんだけどさ。」
彼はそう言って、恥ずかしそうに笑った。
なんか5つも年上なのに、とても藤原さんが可愛く見えてしまう。
そしてその笑顔は、少しだけなぜか私に海渡を思い出させる。
私は首を横に振って言った。
「恋愛のトラウマに重いも軽いもないです、きっと。
本気で好きな人に裏切られたら、やっぱり次の恋は怖くなるしもう二度と誰も信じたくない、そう思ってしまうのは当然だと思います。
きっと藤原さんは、トラウマになるくらいその人の事が大切だったんですね。」
「もう数年前の話ですから、いまだに思い出しはするけれど辛くてしょうがない時期は過ぎてしまいました。
今はむしろ怖いんです。
このまま彼の事を、私もなかった事のように忘れてしまうんじゃないかって。
でも忘れるのが自然なんですよね・・・きっと・・・」
彼の手が、私の頭に触れて軽くぽんぽんと触れられた。
驚いて見ると、藤原さんが優しく微笑んでいる。
「もし、彼氏がいて俺のことと天秤にかけているような子だったらもう金輪際会うのやめようっておもってたんだ。
俺もちょっとだけ昔の恋愛のトラウマがあってさ。
まぁ、簡単に言うと二股かけられてただけだから、倫子ちゃんのトラウマよりもぜんぜん軽いとは思うんだけどさ。」
彼はそう言って、恥ずかしそうに笑った。
なんか5つも年上なのに、とても藤原さんが可愛く見えてしまう。
そしてその笑顔は、少しだけなぜか私に海渡を思い出させる。
私は首を横に振って言った。
「恋愛のトラウマに重いも軽いもないです、きっと。
本気で好きな人に裏切られたら、やっぱり次の恋は怖くなるしもう二度と誰も信じたくない、そう思ってしまうのは当然だと思います。
きっと藤原さんは、トラウマになるくらいその人の事が大切だったんですね。」