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茜色の空に
第8章 雪の華
よくよく聞くと、彼はここの美容室のオーナー店長で高木誠さんというらしい。

どうやら、昨日ちょうどアシスタントの子が急にこなくなってしまい、人手を探していたようで、猫の手も借りたい位だったらしいという事だった。

「いやー、君ほらルックスいいし背も高いし地毛金髪だし、あと根性ありそうに見えたんだよね!」

自信満々に彼はそう言ったけれど、ずぶの素人でつとまる仕事なのか?美容師って資格いるんじゃねぇのか?と俺は彼の言葉につっこみを入れる。

「ほら、もちろん君には夜間学校通って資格とってもらうから!
大丈夫、地毛が金髪だろうと目が青かろうと美容師なら大丈夫だし、一生食いっぱぐれない職業だからいいと思うんだよね!」

最初の印象より、彼はなんか暴走キャラだった・・・

断る理由もないし、まず保証人なしで家とか借りられるかも不安だったので確かにありがたい。

「ちなみに住み込みって、あなたと二人暮らしってことすか?」

そう言うと、彼が笑いながら言った。

「やだなぁ、こう見えても俺妻子持ちなんだよ?」

俺は一瞬固まる。

奥さんと子供の了解も得ずに、俺を勝手に自宅に住まわすって決めちゃっていいのかよ?と、思わずつっこみそうになった。

「じゃあ決まりって事でいいね!やった!イケメンゲット!」

そう言いながら、誠さんは俺の髪の毛を器用に整え俺は綺麗なアシンメトリーのツーブロックにされた。
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