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茜色の空に
第8章 雪の華
「あ、君の名前聞いてなかったよね?なんていうの?」

高木さんがそう聞いてきた。

よく名前も聞かずに雇おうとか思えるこの人、人として大丈夫だろうかと俺は少し心配になった。

「水瀬・・・水瀬海渡って言います。」

俺がそう言うと、高木さんはとても優しい笑顔で言った。

「じゃあ、海渡って呼ぶね!俺の事は誠って呼んで構わないよ。
俺の事は学校の先輩くらいに思ってくれて構わないよ?」

お兄さん?

確かに彼はとても若く見えるけど、オーナー店長だからそれなりにお金がないと厳しいとは思う。

「誠さん?はいったい何歳なんですか?ちなみに俺は17になります。」

俺がそう聞くと、誠さんは得意気にこう言った。

「オーナー店長だけど、俺まだ25歳なんだよね。
いや、といっても亡くなった親父の店を継いだだけだから、ただの跡継ぎだっただけなんだけどね!」

意外な若さに、やっぱり俺は驚く。

確かに俺と8歳しか違わないと、兄弟と言っても不思議ではないかもとは思った。

というかこの人、25歳で奥さんと子供いるってなんかすごいな・・・と思う。

「奥さんとお子さんは、俺が住み込みでお家で住むことに了解してくれるんですかね?
いきなりよく知らない金髪のヤンキーが、家にいたらさすがに困ると思うんですけど。」

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