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第8章 雪の華

「いや、雅美なら大丈夫だよー！
こういう俺のよく解らない行動は、昔から慣れっ子だろうからねぇ。」

夫婦ってそういうもんで大丈夫なのか？

両方親が揃っていない俺には、少し理解に苦しむ内容だったが彼がそう言っている以上違うだろうともいえない。

そして俺の髪を完成させた誠さんは、店の奥にある自宅に俺を半ば強引に連れて行く。

「そこの道ばたで従業員ゲットしたよー！
それで、今日からうちに住み込みしてもらうことになった！」

ドアをあけた瞬間そう言った彼の言葉に、絶句する家族の姿があった。

いや、これ絶対だめなやつだろ･･･いろんな事にうとい俺でさえもそれは瞬時に理解した。

そこには黒髪のショートの、シンプルな格好した女の人と幼稚園児の女の子がダイニングテーブルに座っていた。

「はぁ？お前なにいってんだよ！いきなりすぎるだろ！」

ショートの奥さんと思われる女性は、見た目とは裏腹にとても口が悪かった。

そして、娘と思われる女の子は俺の長身と金髪の人相の悪さに泣いている。

いや、子供に好かれる見た目なんて微塵にもおもってねぇけどやっぱ悲しくなるわ･･･

「いやぁ、一目で気に入っちゃってさー
彼、イケメンだし家も仕事もないっていうし･･･ついね。
やっぱダメ？」

上目遣いでそう言う誠さんと共に、俺はなぜか一緒にダイニングテーブルに座らせられる事になった。