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茜色の空に
第8章 雪の華
「学校が全てじゃねぇぜ。
学校を卒業してからの人生の方が、限りなく長い。
とりあえず、なんかあったら俺の陰ちらつかせとけ。
なんかしらねぇけど、俺の存在あると女はどうやら俺に好かれようとがんばるらしくてな・・・めんどくせぇだけだけど。」

俺がそう言って笑うと、泣いてて不安そうな彼女も少しだけ笑顔になった。

「名前聞いていいですか?」

彼女がそう言ってきたので、俺は名前を教える。

「水瀬海渡。
背でっかくてこんな成りだけど、年はあんたと2歳くらいしかかわんねぇよ。
美容師してて、もうすぐ20歳だ。」

不思議となぜか、玲奈に大して嫌悪感は感じなかった。

おとなしくて周囲の女どもみたいな反応をしないからかもしれない。

「美容師さんなんですね。
ちょっと意外かも・・・てっきり私・・・」

彼女はそう言いながら、小さくふふっと笑った。

もう長らくこういう反応をされている俺は、割と慣れているもんだ。

「あれだろ?ただのヤンキーって思ってただろ。」

俺が笑いながらそう言うと、彼女はきょとんとした顔をして言った。

「いえ、なんか背も高いし綺麗な顔しているからてっきりモデルさんか何かかと思いました。
だからこんな一般人を助けて目立って平気かと不安だったんですけど・・・美容師だったんですね。」

彼女は、少し世間とずれている子だな・・・最初はそういう印象だった。
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