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第9章 静寂の海

『倫子･･･』

一瞬彼の声が頭の中に響き理性に引き戻されそうになったけれど、樹さんの激しいキスにその理性が溶かされていく。

ほとんど経験がない私と比べ、彼はいったいどれだけの人と身体を重ねてきたのだろうかと想うくらい、彼の女性の扱いが慣れすぎて見えない相手に嫉妬してしまう。

深いキスの後、少し強めの力で胸を揉まれ先端をつままれ、つい声が漏れてしまう。

「あっ･･･やんっ･･･」

声が漏れると樹さんの吐息が荒くなり、それを聞くと少し興奮してしまうのに気づく。

樹さんの唇が私の首筋にキスを落とし、どんどん下のほうへ唇が降りていった。

ゆっくりと探るように、彼の唇が私の身体にキスを落としていき、臍のあたりに口づけをしそしてやがて太股にキスを落とす。

「いっぱい乱れて･･･」

そう言って彼は太股に舌をはわせ、私の膝の裏を持ち力強く私の閉じられた脚を開いていく。

「きゃっ･･･」

思わず驚いてそこに目をやると、彼が私の普段誰にも見られない部分をじっと見つめていた。

「やぁっ･･･みないでくださいっ･･･」

そう言って私が脚を閉じようとすると、びくともしない力で彼が脚を開いたまま抑えつける。

「ダメ･･･俺に倫子の全てを見せて･･･」

そう言って樹さんは、私のその部分に唇を寄せて静かに吐息を吹きかけた。