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茜色の空に
第10章 失われた時を求めて
相変わらず、俺は髪の毛は地毛のままにしている。
染めるのが面倒なのと、物珍しいのが客との会話に役立つのが表向きの理由。
本当の理由は、微かな希望を頼みにしていて、本当に自分でも女々しいゲス野郎だとは思うが、万が一に奇跡で倫子に出会えた時気付いてもらえるように。
本当に乙女かよと、たまに心の中で突っ込みを入れる。
でもその位の希望がないと、俺は生きてる意味がきっとないんだ。
「いいなぁ~私も水瀬さんみたいな金髪と青い目に産まれたかったなぁ~」
客をカットしている時によく言われる言葉だ。
俺の大体の指名客は女性が多い。
「そうかな?俺は黒髪の黒い目の純日本人に憧れるけどね。
学生の時とかヤンキーによく喧嘩売られて大変だったしね。」
そう愛想よく喋りながら、髪の毛を切り揃えていく。
なんだかんだで心の中で悪態をつきながらも、俺はこの仕事が好きだ。
親方のもとにいる時も大工の仕事は楽しかったし、基本的に手先を動かしたりする仕事が好きなんだなとは思う。
たまに客に食事誘われたり遊びに誘われたりするけれど、連絡先は予約の連絡とかのために教えるが、プライベートはすべて断っていた。
片桐がよく俺に言う。
「水瀬は仕事は馬鹿がつくほど真面目だし~、あとそういう誘いとかうまくかわせないもんねぇ~」
器用な片桐を、そういう部分ではとても尊敬しているからこそ、あいつの人生の晴れ舞台にはできる限りの事をしてやりたい。
染めるのが面倒なのと、物珍しいのが客との会話に役立つのが表向きの理由。
本当の理由は、微かな希望を頼みにしていて、本当に自分でも女々しいゲス野郎だとは思うが、万が一に奇跡で倫子に出会えた時気付いてもらえるように。
本当に乙女かよと、たまに心の中で突っ込みを入れる。
でもその位の希望がないと、俺は生きてる意味がきっとないんだ。
「いいなぁ~私も水瀬さんみたいな金髪と青い目に産まれたかったなぁ~」
客をカットしている時によく言われる言葉だ。
俺の大体の指名客は女性が多い。
「そうかな?俺は黒髪の黒い目の純日本人に憧れるけどね。
学生の時とかヤンキーによく喧嘩売られて大変だったしね。」
そう愛想よく喋りながら、髪の毛を切り揃えていく。
なんだかんだで心の中で悪態をつきながらも、俺はこの仕事が好きだ。
親方のもとにいる時も大工の仕事は楽しかったし、基本的に手先を動かしたりする仕事が好きなんだなとは思う。
たまに客に食事誘われたり遊びに誘われたりするけれど、連絡先は予約の連絡とかのために教えるが、プライベートはすべて断っていた。
片桐がよく俺に言う。
「水瀬は仕事は馬鹿がつくほど真面目だし~、あとそういう誘いとかうまくかわせないもんねぇ~」
器用な片桐を、そういう部分ではとても尊敬しているからこそ、あいつの人生の晴れ舞台にはできる限りの事をしてやりたい。