この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
茜色の空に
第10章 失われた時を求めて
相変わらず、俺は髪の毛は地毛のままにしている。

染めるのが面倒なのと、物珍しいのが客との会話に役立つのが表向きの理由。

本当の理由は、微かな希望を頼みにしていて、本当に自分でも女々しいゲス野郎だとは思うが、万が一に奇跡で倫子に出会えた時気付いてもらえるように。

本当に乙女かよと、たまに心の中で突っ込みを入れる。

でもその位の希望がないと、俺は生きてる意味がきっとないんだ。

「いいなぁ~私も水瀬さんみたいな金髪と青い目に産まれたかったなぁ~」

客をカットしている時によく言われる言葉だ。

俺の大体の指名客は女性が多い。

「そうかな?俺は黒髪の黒い目の純日本人に憧れるけどね。
学生の時とかヤンキーによく喧嘩売られて大変だったしね。」

そう愛想よく喋りながら、髪の毛を切り揃えていく。

なんだかんだで心の中で悪態をつきながらも、俺はこの仕事が好きだ。

親方のもとにいる時も大工の仕事は楽しかったし、基本的に手先を動かしたりする仕事が好きなんだなとは思う。

たまに客に食事誘われたり遊びに誘われたりするけれど、連絡先は予約の連絡とかのために教えるが、プライベートはすべて断っていた。

片桐がよく俺に言う。

「水瀬は仕事は馬鹿がつくほど真面目だし~、あとそういう誘いとかうまくかわせないもんねぇ~」

器用な片桐を、そういう部分ではとても尊敬しているからこそ、あいつの人生の晴れ舞台にはできる限りの事をしてやりたい。
/281ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ