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茜色の空に
第10章 失われた時を求めて
結婚式の会場は、東京近郊の某テーマパークの近くのホテル。

住んでる場所からは、一時間以上かかるから正直面倒だ。

二人の初デートの場所だからと、照れながら言う片桐の言葉を思い出してついイライラしてしまう。

スマホを取り出すと、きょうも大量のメッセージが入っていて少しうんざりした。

「ダメもとで言うけど遊びにいきませんか?」

とか

「今度奢るので、ご飯でもどうですか?」

とか。

彼女たちは、俺のどこを見てこうやってメッセージを送ってくるのだろう。

接客してるときの俺と普段の俺は、まるで別人だというのに。

受付を頼まれていたので、一時間以上はやく会場につく計画だった。

むしろ早くつきすぎて、暇をもて余す感じだ。

とりあえずラウンジでコーヒーでも飲むか、と思い席に座る。

ひとは割りと多く、片桐の結婚式なのか違う結婚式なのか解らなかったが、結構な人数の人間がラウンジにいた。

あいてる席を見つけ、適当に座りホットコーヒーを頼む。
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