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茜色の空に
第11章 優しい雨
海渡がそう言って、繋いだ手を少しだけ強く握った。
「はい。
手を繋いで歩いているなんて、夢みたいです。」
私がそう言うと、海渡が笑って言う。
「やっぱり、倫子がメガネかけてない姿に慣れねぇや。
普段もかけてねぇの?」
「結婚式とかそういう時はかけないようにしますが、やはり慣れてしまっているので、普段はいつものあのメガネですね。」
私がそう答えると、海渡が言う。
「どっちにしろ、可愛いけどな。」
真顔で言われて、恥ずかしすぎて顔が熱くなるのを感じた。
なんでこの人は自分の思ったことを、こうも恥ずかしげもなく言えるのか。
でもそういう所はまったく変わらないなとおもうと、少しだけ気分が落ち着く。
お互い年齢を重ね就職もして社会人になり、あの頃よりは色んなことを広い視野で考えられるようになったし、全ての責任を自分で負うようになったと思う。
もしかしたら、あのまま別れたあとも普通に二人でいたら、ただの初恋で終わっていた可能性のほうが高かったかもしれない。
10年の歳月を経て再会できたからこそ、こうやって手を繋いで歩けるのだと思った。
「やっぱり、海渡の手は暖かくて大きくて安心します。」
私の言葉に、海渡が優しく微笑んだ。
「はい。
手を繋いで歩いているなんて、夢みたいです。」
私がそう言うと、海渡が笑って言う。
「やっぱり、倫子がメガネかけてない姿に慣れねぇや。
普段もかけてねぇの?」
「結婚式とかそういう時はかけないようにしますが、やはり慣れてしまっているので、普段はいつものあのメガネですね。」
私がそう答えると、海渡が言う。
「どっちにしろ、可愛いけどな。」
真顔で言われて、恥ずかしすぎて顔が熱くなるのを感じた。
なんでこの人は自分の思ったことを、こうも恥ずかしげもなく言えるのか。
でもそういう所はまったく変わらないなとおもうと、少しだけ気分が落ち着く。
お互い年齢を重ね就職もして社会人になり、あの頃よりは色んなことを広い視野で考えられるようになったし、全ての責任を自分で負うようになったと思う。
もしかしたら、あのまま別れたあとも普通に二人でいたら、ただの初恋で終わっていた可能性のほうが高かったかもしれない。
10年の歳月を経て再会できたからこそ、こうやって手を繋いで歩けるのだと思った。
「やっぱり、海渡の手は暖かくて大きくて安心します。」
私の言葉に、海渡が優しく微笑んだ。