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茜色の空に
第11章 優しい雨
海渡の住む町は都内の中心地にあり、とてもじゃないけど私が住む町とは正反対で驚く。
駅の近くの歩道橋を渡り、春になったら綺麗だろうなと思うような桜のトンネルの坂を登る。
その坂の上に、おしゃれなカフェがあり、海渡はそこに私を連れてきてくれた。
普段この町は眠らない町くらい騒がしいのに、同じ町とは思えないくらい、そのカフェは大人な雰囲気で静かだった。
ゆっくり話がしたいから、と海渡が私を座らせメニューを眺める。
正面に座り彼を見つめると、やはり誰もが振り返るセンスのよさとその美しさに思わず見とれてしまう。
そして彼はアイスコーヒーを、私はホットのカフェオレを注文した。
「そういや、倫子って今なんの仕事してるんだ?」
アイスコーヒーをのみながら、海渡がわたしに聞いた。
そういえば、彼も私もいまのお互いをまったくもって知らない。
さっき、美香に海渡が平手打ちを食らわされたときに、美容師をしていると海渡がいってるのを聞いたくらいだ。
「都内の税理士事務所で、税理士として働いてます。
まだまだ一人前にはほど遠いですが……」
私はカフェオレを両手に持ち、質問に答えた。
駅の近くの歩道橋を渡り、春になったら綺麗だろうなと思うような桜のトンネルの坂を登る。
その坂の上に、おしゃれなカフェがあり、海渡はそこに私を連れてきてくれた。
普段この町は眠らない町くらい騒がしいのに、同じ町とは思えないくらい、そのカフェは大人な雰囲気で静かだった。
ゆっくり話がしたいから、と海渡が私を座らせメニューを眺める。
正面に座り彼を見つめると、やはり誰もが振り返るセンスのよさとその美しさに思わず見とれてしまう。
そして彼はアイスコーヒーを、私はホットのカフェオレを注文した。
「そういや、倫子って今なんの仕事してるんだ?」
アイスコーヒーをのみながら、海渡がわたしに聞いた。
そういえば、彼も私もいまのお互いをまったくもって知らない。
さっき、美香に海渡が平手打ちを食らわされたときに、美容師をしていると海渡がいってるのを聞いたくらいだ。
「都内の税理士事務所で、税理士として働いてます。
まだまだ一人前にはほど遠いですが……」
私はカフェオレを両手に持ち、質問に答えた。