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茜色の空に
第11章 優しい雨
「ここに、自分以外の人間入れるなんて初めてだから緊張するわ。」
海渡がちょっと困った顔をしながら、玄関のドアを開けた。
海渡の部屋は、落ち着いた色にまとめられていた。
ソファーもベッドもカーテンも濃いブラウンで、家具は基本的に全て白。
部屋は一人暮らしで寝る為の部屋、そんな感じに思えた。
「お邪魔します」
そう言って、玄関で靴を脱いだ瞬間に海渡に引き寄せられ強い力で抱きしめられた。
「っ・・・海渡・・・っ」
少し苦しくて、思わず声を漏らす。
海渡が私を強く抱きしめながら呟く。
「わりぃ・・・力の加減ができねぇ・・・っ」
海渡の体温が、段々と伝わってきてとても暖かい。
ああ、私本当に海渡に抱きしめられてるんだ・・・そう実感した。
10年前の記憶の中の、彼のほのかに甘い香りに少しシトラスのような香水の香りが混じっている。
懐かしくて思わず、私も彼の背に手を回して強く抱きしめる。
海渡の抱きしめる力が緩み、海渡の手が私の髪を静かに撫でた。
ふと見上げると、綺麗な深い青の瞳が私を静かに見下ろしている。
「ずっと、会いたかった・・・抱きしめたかった・・・倫子・・・」
彼がそう言い、私の頬に手を添えてゆっくりと顔を近づける。
私がゆっくりと目を閉じると、彼は私の唇に自分の唇をそっと重ねた。
海渡がちょっと困った顔をしながら、玄関のドアを開けた。
海渡の部屋は、落ち着いた色にまとめられていた。
ソファーもベッドもカーテンも濃いブラウンで、家具は基本的に全て白。
部屋は一人暮らしで寝る為の部屋、そんな感じに思えた。
「お邪魔します」
そう言って、玄関で靴を脱いだ瞬間に海渡に引き寄せられ強い力で抱きしめられた。
「っ・・・海渡・・・っ」
少し苦しくて、思わず声を漏らす。
海渡が私を強く抱きしめながら呟く。
「わりぃ・・・力の加減ができねぇ・・・っ」
海渡の体温が、段々と伝わってきてとても暖かい。
ああ、私本当に海渡に抱きしめられてるんだ・・・そう実感した。
10年前の記憶の中の、彼のほのかに甘い香りに少しシトラスのような香水の香りが混じっている。
懐かしくて思わず、私も彼の背に手を回して強く抱きしめる。
海渡の抱きしめる力が緩み、海渡の手が私の髪を静かに撫でた。
ふと見上げると、綺麗な深い青の瞳が私を静かに見下ろしている。
「ずっと、会いたかった・・・抱きしめたかった・・・倫子・・・」
彼がそう言い、私の頬に手を添えてゆっくりと顔を近づける。
私がゆっくりと目を閉じると、彼は私の唇に自分の唇をそっと重ねた。