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茜色の空に
第12章 想い出の跡地
倫子は、俺の休みの日と倫子の休みの日に家にきてくれている。
たまに二人で外にご飯を食べに言ったりレイトショーで映画を見に行ったりするが、基本的には家でゆっくりと過ごす。
倫子がつくった夕飯を食べながら、俺が倫子に言った。
「なぁ、週末久々に休み取ったんだけどさ・・・倫子、俺と一緒にあの町にいってくれねぇか?」
それを聞いた倫子は、驚いて振り返る。
「海渡・・・あの町に帰りたいなんて言うの・・・初めてですね。」
倫子が少し戸惑いながら言う。
そりゃそうだろう。
もとはと言えば、あの町のしがらみを全て捨てるために俺は東京にきたんだ。
それがいきなり帰るとか言い始めたら、戸惑うのも当然だし今まで東京にきた10年間を否定する事になるとも思う。
それでも俺は、やはり一回帰る必要があると思っていた。
「月光を・・・探さなくちゃいけないって思ってさ・・・」
俺がそうつぶやくと、倫子ははっとした顔をした。
父親なんて生まれた時から解らない、母親は自業自得だとはいえどもうこの世にはいねぇ・・・たった一人の俺の肉親は半分しか血はつながっていないけど弟の月光だ。
正直父親があんな人間であいつに引き取られた以上、正直まともに育てられてるかは謎だ。
だけどどうしても、あいつに会わなくちゃいけないと俺は思っていた。
たまに二人で外にご飯を食べに言ったりレイトショーで映画を見に行ったりするが、基本的には家でゆっくりと過ごす。
倫子がつくった夕飯を食べながら、俺が倫子に言った。
「なぁ、週末久々に休み取ったんだけどさ・・・倫子、俺と一緒にあの町にいってくれねぇか?」
それを聞いた倫子は、驚いて振り返る。
「海渡・・・あの町に帰りたいなんて言うの・・・初めてですね。」
倫子が少し戸惑いながら言う。
そりゃそうだろう。
もとはと言えば、あの町のしがらみを全て捨てるために俺は東京にきたんだ。
それがいきなり帰るとか言い始めたら、戸惑うのも当然だし今まで東京にきた10年間を否定する事になるとも思う。
それでも俺は、やはり一回帰る必要があると思っていた。
「月光を・・・探さなくちゃいけないって思ってさ・・・」
俺がそうつぶやくと、倫子ははっとした顔をした。
父親なんて生まれた時から解らない、母親は自業自得だとはいえどもうこの世にはいねぇ・・・たった一人の俺の肉親は半分しか血はつながっていないけど弟の月光だ。
正直父親があんな人間であいつに引き取られた以上、正直まともに育てられてるかは謎だ。
だけどどうしても、あいつに会わなくちゃいけないと俺は思っていた。