この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
茜色の空に
第12章 想い出の跡地
店員にお願いしてタオルを貸してもらい、三人で席に座る事をした。
あまりにも変わりすぎてる弟に、俺は戸惑っていた。
「あまりにも俺が変わっていて驚いてるの?
兄ちゃんは変わらないね、まっすぐでバカ正直なまんま。
相変わらず表情に全部気持ちがあらわれちゃうんだね。」
暖かいコーヒーを飲みながら、月光はさめた口調でそう言った。
「月光くんは、あれからずっとお父さんのもとで暮らしているんですか?」
倫子が月光に話しかける。
月光が笑いながら言った。
「相変わらず倫子ちゃんって敬語なんだね?
なんか先生みたいで小さい頃は丁寧な人くらいに思ってたけど、大人になると不思議な気持ちになるね。
兄ちゃんにも敬語なのがなんか不思議。
そうそう、ずっとあの家で暮らしてるよ。
どうやら、俺はあの家の大切な跡継ぎらしいからね。」
「おまえは、極道になりたいのか?」
俺がそう言うと、月光が冷たい眼差しで俺を見て言った。
「俺に選ぶ権利がなくなったのは、10年前のあの日だよ。
あんたを助けるために、俺は親父に引き取られてあんたといまは死んだあのクズと親子と兄弟の縁を切らされた。
そっからの数年間は、本当に地獄だったよ。
親父の奥さんにはいびられ、姉たちからはいじめられ、すっかり数年する頃には心がすさんでいって憎悪しかうまれなくなった。
今の俺は、あんたたちが知っている頃の俺じゃない。」
その言葉は、俺の胸に強く突き刺さる。
俺と死んだあのクズ女とDV野郎が、月光の人生を狂わせたんだ。
あまりにも変わりすぎてる弟に、俺は戸惑っていた。
「あまりにも俺が変わっていて驚いてるの?
兄ちゃんは変わらないね、まっすぐでバカ正直なまんま。
相変わらず表情に全部気持ちがあらわれちゃうんだね。」
暖かいコーヒーを飲みながら、月光はさめた口調でそう言った。
「月光くんは、あれからずっとお父さんのもとで暮らしているんですか?」
倫子が月光に話しかける。
月光が笑いながら言った。
「相変わらず倫子ちゃんって敬語なんだね?
なんか先生みたいで小さい頃は丁寧な人くらいに思ってたけど、大人になると不思議な気持ちになるね。
兄ちゃんにも敬語なのがなんか不思議。
そうそう、ずっとあの家で暮らしてるよ。
どうやら、俺はあの家の大切な跡継ぎらしいからね。」
「おまえは、極道になりたいのか?」
俺がそう言うと、月光が冷たい眼差しで俺を見て言った。
「俺に選ぶ権利がなくなったのは、10年前のあの日だよ。
あんたを助けるために、俺は親父に引き取られてあんたといまは死んだあのクズと親子と兄弟の縁を切らされた。
そっからの数年間は、本当に地獄だったよ。
親父の奥さんにはいびられ、姉たちからはいじめられ、すっかり数年する頃には心がすさんでいって憎悪しかうまれなくなった。
今の俺は、あんたたちが知っている頃の俺じゃない。」
その言葉は、俺の胸に強く突き刺さる。
俺と死んだあのクズ女とDV野郎が、月光の人生を狂わせたんだ。