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茜色の空に
第2章 青い春
私は続けて言葉を紡ぐ。

「ただ、まだ解らないんです。あなたを好きかどうか。もしかしたら、恋人みたいな事をされて好きって勘違いしてるだけかもしれないから怖いんです…自分の気持ちが解りません…こんな状態であなたに応えることは失礼な気がして…」

前で組んだ手をぎゅっと握りしめながら私は言った。

これは本心だ。

彼はしばらくうつむいた後、顔をあげて言った。

「じゃあとりあえず俺の事好きか解んなくてもいいから試しに付き合ってみねぇか?俺も付き合うとかあんまよくわかんねぇけど、俺の事好きになるまでおまえを抱くのは我慢する!キスも我慢する!それでもダメか?」

「いえ、それだとそれはそれで気をもたせてしまったらあなたを傷つけます…」

と、私が言えば。

「最終的に振られるならどっちも一緒だ!」

と、ひかない。

最終的に彼に押しきられる形で、私はお試しで付き合う事になったのである。

ただ、ひとつだけ条件を出した。

誰にもこのことはちゃんとお互い好きで付き合うまで秘密にすること。

「そんなに、俺と付き合ってるって思われるのが嫌なのかよ…」

彼はふてくされて言ったけど、わたしの理由はそんなことではなかった。

「あなたは私のことを好きとか言いますが、あなたは自分がどれだけ周囲にもてているかとか自覚がありません。女の嫉妬ほど怖いものはありません…できれば巻き込まれたくないための自己防衛です!」

わたしがそう言うと、彼はふてくされたがしぶしぶ納得した。
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