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茜色の空に
第13章 君のためにできる事~side永吉~
同じクラスに、なぜか俺より20センチくらい大きい金髪の巨人がいた。

彼の名前は水瀬海渡。

すっごくイケメンなのに、彼は全てを拒絶して生きている。

そんな彼を、俺は女子の憧れや男子の嫉妬のまなざしとは違う視点で見ている。

いつも孤独、いつも寂しそう、誰も信じない・・・彼の目は全ての世界を拒絶していた。

そう、彼の瞳が光を取り戻すのはとある一人の女子を見ているとき。

彼が、彼女に恋をしているのを俺はすぐ気づいてしまった。

そして俺は、そんな草壁倫子の隣で笑う彼女を見ている。

俺は喋ったことはほとんどないけれど、少しだけ彼によくわからない親近感を抱いていたとは思う。

そんな俺と彼が関わる事件が起きた。

うちの高校はあんまり高校としてるレベルは高くなく、正直荒れている方だと思う。

俺はヤンキーでもないし喧嘩も好きじゃないし暴力は嫌いだ。

ただ、ボクシングをやってるだけでからかうつもりなのか、よく喧嘩を売られていた。

いつも俺は相手にしないで挑発にも乗らずに逃げていた。

だって、暴力を相手にふるった時点で、相手を殺してしまう可能性だって高いし、まず大好きなボクシングの試合に出られなくなるのは嫌だ。

ただ、その日だけは運悪く俺はサンドバックにならざるを得ない状況に陥った。

いつも通りに逃げるはずが、うっかりミスをして腕を捕まれ逃げきれなかったんだ。
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