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茜色の空に
第13章 君のためにできる事~side永吉~
そんな後に、あの事件が起こった。
海渡の弟が宇佐美ってやつに誘拐されて、俺と海渡がそこにむかって・・・
俺は足も人よりは速いし高校生の手には追えないと思って、急いで警察を呼びにいく。
そして警察を呼んで戻ったときには・・・
頭から血を流して、横たわる海渡が目に入った・・・
「海渡!おまえどうしたんだよ!!!」
急いで駆け寄ると、彼はかろうじて息をしていた。
警察の人が救急車を呼んでくれて、泣き叫ぶ草壁さんをなだめて俺は病院で草壁さんと一緒に病室の前に来た。
気がつくと、俺の手は震えていた。
ボクシングの試合でも震えたことがないのに・・・
海渡の血の暖かさと感触、また俺がいなくならなければ何か変わったかもしれない罪悪感・・・
このまま、あいつが死んでしまうかもしれないって思うと・・・やっぱり手の震えが収まんなかった。
「田辺くん・・・私怖いです・・・彼を失うのがとてつもなく怖い・・・」
草壁さんはそう言って涙を流しながら、両手を強く握っていた。
俺は手の震えを抑えながら、言う。
「草壁さんは・・・本当に海渡の事が大事なんだね。
よかったよ本当に・・・海渡にそう思える人があらわれて・・・あいつずっと、孤独で寂しそうだったから・・・」
海渡の弟が宇佐美ってやつに誘拐されて、俺と海渡がそこにむかって・・・
俺は足も人よりは速いし高校生の手には追えないと思って、急いで警察を呼びにいく。
そして警察を呼んで戻ったときには・・・
頭から血を流して、横たわる海渡が目に入った・・・
「海渡!おまえどうしたんだよ!!!」
急いで駆け寄ると、彼はかろうじて息をしていた。
警察の人が救急車を呼んでくれて、泣き叫ぶ草壁さんをなだめて俺は病院で草壁さんと一緒に病室の前に来た。
気がつくと、俺の手は震えていた。
ボクシングの試合でも震えたことがないのに・・・
海渡の血の暖かさと感触、また俺がいなくならなければ何か変わったかもしれない罪悪感・・・
このまま、あいつが死んでしまうかもしれないって思うと・・・やっぱり手の震えが収まんなかった。
「田辺くん・・・私怖いです・・・彼を失うのがとてつもなく怖い・・・」
草壁さんはそう言って涙を流しながら、両手を強く握っていた。
俺は手の震えを抑えながら、言う。
「草壁さんは・・・本当に海渡の事が大事なんだね。
よかったよ本当に・・・海渡にそう思える人があらわれて・・・あいつずっと、孤独で寂しそうだったから・・・」