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茜色の空に
第15章 エピローグ
そして親方こと一郎さんは、大工の家業をしながら夫婦仲良く暮らしている。

ちなみに一郎さんのお子さんは息子さんかと思いきや、娘さんだった。

奥さんと一郎さんどっちにもにていて、彼は親ばかぶりを発揮していて聞いているこちらが嬉しくなったくらいだ。

「人生長く生きてるといいこともあるもんだよな」

彼は、でも片時も亡くなった奥さんと息子さんを忘れる事はないらしい。

それでも希望がもてるようになったのは、奥さんと娘さんのおかげなんだそうだ。

「でも奇跡で、倫子ちゃんと海渡が本当に結婚するとなったときにはまじで嬉しかったぜ!
絶対別々に結婚すると思ってたからな!」

一郎さんは、あの笑顔で私たちが地元に戻ってくる事を喜んでくれて、店の設計のアドバイスももらった。

そして、お父さんと宇佐美君のお姉さんの蘭さんの間に生まれた私の弟の拓人は、12歳の中学生になって思春期まっさかり。

顔はどことなく宇佐美くんにもにてるけど、私にも似ていて不思議な感じ。

どうもあのくらいの年の男の子はヤンキーに憧れるらしく、海渡が大のお気に入りみたいだ。

「すげーな、今小学生でも彼女いるの普通なんだな・・・」

拓人の小学生時代の恋愛話を聞いていて、海渡が鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていたのが印象的だった。
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