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茜色の空に
第3章 桜草を君に
必死で彼女を追いかける俺は、おそらく軽くストーカー規制法に引っかかるレベルだった。

彼女が屋上によくいるなら、屋上で昼寝をするふりをして彼女を追いかける。

なにかと因縁をつけては関わろうとがんばる。

俺にしたら、かなりの努力をしたほうだと思う。

とりあえず押しの強さと粘り勝ちで、俺はお試し期間で彼女と付き合う権利を手にいれたんだ。

うっかり性欲に負けてあんなことやこんなことはしてしまったとしても、もう絶対離さねぇと心に決めた。

「なぁ、永吉。デートってふつーどこいくもんなんだ?」

俺がそう言うと、永吉は飲んでた飲み物を吹き出すくらい動揺した。

「あれだけ女嫌いなおまえがついに恋愛とかに興味がでてきたか……世の中捨てたもんでもないな……」

永吉は少し考え込んでそう言った。

こいつの名前は田辺永吉。

背は小さいが、昔からボクシングをやっていて、俺が敵わないくらい強い男だ。

でもただの俺みたいな筋肉バカとは違って、すげぇ大人な考えも言うし頭もいいし口調も静かで、なぜか同じクラスになってからやたら一緒にいる存在だ。

「デートの定番とかは遊園地とか町に買い物にでかけるとかだろう、普通。」

永吉がそう言った。
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