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茜色の空に
第3章 桜草を君に
帰り道は倫子とは基本的に別々だ。

ちなみにうちは基本自分の金は自分で稼がなければいけないため、俺は学校に内緒で土方のバイトをしている。

親方もいい人で、基本的にうちの事情をよく解ってくれているのであのババアを除いては生活的には基本恵まれている方だと思う。

「おい、海渡!おまえそろそろ彼女とかできたか!?高校入って好きな女とかそろそろできる頃だろうが。」

親方が俺にそういって背中をバシバシ叩いてきた。

親方は面倒見がよくて優しいが、お節介なのが玉に傷だ。

学校以外ならはなしてもいいよな・・・そう思い俺は親方に相談した。

「入学してから好きな女がいるんですけど、強引に拝み倒して俺を好きになるまでお試しで付き合ってくれってお願いしてOKもらったんですけど、やっぱりまだ俺のこと好きかわかんなくて・・・いま悩んでるところなんですよ・・・」

俺がそう話すと親方が笑いながら言った。

「そりゃおまえ、もう彼女もおまえの事好きなんじゃねぇのか?普通嫌いな男ならお試しでも付き合うわけねぇだろうしなぁ・・・まぁなんだ、おまえがちゃんと青春してて俺は安心だわ」

そしてさらに強く背中を叩かれて俺はむせる。

そういうもんなのか?それが本当なら俺の事好きって思ってくれてるって事か???

でもまだ、言葉で好きって言ってくれるまでは・・・俺はあいつに触れられない・・・

やっぱり悩みは抱えたままだった。
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