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茜色の空に
第3章 桜草を君に
「落ち着きましたか?」

彼女はそう言って静かにお茶を俺に差し出してくれた。

場所は彼女に初めていけない事をしたあの公園。

こんな夜中によく来てくれたと思う。

とりあえず、俺を見た彼女はとても心配して駆け寄ってきてくれた。

あのババアは全くもって俺の心配なんかしてくれなかった事もあり、涙が余計に溢れてきて彼女の前で子供のように泣いてしまった。

「情けねぇとこばっか見せてごめんな・・・こんな状態じゃ幻滅されても文句いえねぇわ・・・」

自嘲気味に俺はそう言った。

「何かつらい事があったのでしょう?その殴られた傷といい、心配しないほうがおかしいです。おうちで何かがあったのですか?」

答えたらもう彼女は俺から離れていく・・・そう思った。

でも隠してはおけない・・・遅かれ早かればれると思い話す事に決めた。

「月光の父親はいわゆる堅気の人間じゃない男なんだよ・・・確かに養育費はもらってるけどたまに嫌がらせのごとく俺たちのところにあらわれては暴力をふるって去っていく。
あいつには普通に妻子はいるんだけどな・・・いわゆる愛人だから好き勝手していいっていう理論なんだろう。
月光を守るためだいたい俺が殴られる・・・母親は俺を盾にすることしか考えてねぇんだよ・・・
ごめんな、こんな俺とおまえじゃ世界が違うよな・・・怖かったら離れてもいいんだぜ・・・」

俺はそう言ってうつむく。
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