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茜色の空に
第2章 青い春
わたしはしばしば彼に正論をはいては、火に油を注ぐ。

二年生になり同じクラスになってから、しばらくこの壁ドン光景は日常風景だ。

クラスのみんなは、水瀬くんを怖がりあまり関わらないように避けているが、わたしはあえて彼に関わっては怒らせているように見えているらしい。

断じて違う。

きっと、私が空気を読まずつい正論をはいてしまうからだ!

って気づいたときには、だいたいもう遅くてこんな状況になっているのです。

「てめぇ、正論ばっか吐きやがって!一発ぶんなぐってやろうか!」

彼がそう言うのは某将軍時代劇シリーズのおきまりてきなセリフで、一発殴られたことは今のところない。
なぜなら…

「それは脅迫ですか?水瀬くん。それならこちらはこちらで考えがあります。まず弁護士に依頼しあなたを脅迫罪と暴行未遂(壁ドン)で訴えます。ちなみに目撃証言には事欠かないでしょうし、いまの証言も録音してますならあしからず。未成年者だからっていっても前科はつけたくないでしょう?」

大抵、さすがにこれだけ言うとさすがに彼はぐうのねもでない。

水瀬くんはいつもどおり私を睨み付けて、不機嫌そうに立ち去っていった。

ちなみに彼のおかげで、わたしは「猛獣使い」の称号を与えられた。
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