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茜色の空に
第4章 真夏の向日葵
バスに乗ってる間、私は窓の外を見ながら物思いに耽っていた。

彼はいつでも自分の気持ちに素直すぎて、私はいつも戸惑ってしまう。

私は感情を表に出すのが下手すぎて、よく彼に誤解を与えている。

彼はわたしのどんな所が好きなのだろう。

遠くを見つめながら、私は思い悩んでいた。

隣の圭子は静かに寝息をたてている。

「よくわかんないです……」

私は小さくそうつぶやく。

後ろを振り向くと、彼は無防備な顔で寝息をたてている。

本当は、私も彼がわたしの彼氏だって言ってしまいたい衝動に駆られる。

でも。

私は自分に自信がもてなかった。

彼に釣り合うほどの美貌もない、至って平凡な私は彼の隣を歩いてるたびに不安になるのだ。

少しだけでもふたりきりになる時間があるといいな…そんな淡い期待を抱きながら、わたしはバスに揺られていた。

現地につくと、空気が爽やかでわたしは思いっきり息を吸い込んで深呼吸する。

波乱の林間学校はこうして幕を開けたのだった。
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