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茜色の空に
第4章 真夏の向日葵
話していると、いつもの海渡の取り巻きたちがいきなり私たちの間に割り込んできた。
「水瀬くん、うちらと一緒に写真とってよー」
あっという間に彼は女子に囲まれてしまった。
どっかのアイドル顔負けの人気で、私と圭子と田辺くんは自然と三人で集合した。
「写真は嫌いだし撮らねぇよ」
彼は不機嫌そうに女子たちを睨み付ける。
「あれだよねー、あんだけ病的にもてるともう可哀想になるよね。最初は驚いたけど俺慣れたよ」
田辺くんが柔らかい笑顔で彼を見ながら言う。
「女の執念って恐ろしいって思うよね。本人はまったく興味無さそうだし可哀想になってくるよねー。」
圭子も彼を遠い目でみつめながら言った。
「でもあれでも最近なんか柔らかくなったんだ。
入学したころは本当にジャックナイフかってくらい、世界全部が敵みたいな目してた。
俺が仲良くなったのも、俺が偶然先輩に嫌がらせされてたのを助けてくれたからなんだ。」
田辺くんが意外な彼の一面を教えてくれた。
「俺さ、ボクシングやってるから人殴ったら大会とか出られなくなるんだ。
だから喧嘩とか売られたらひたすら逃げるか相手が飽きるまで殴られ続けるしかないんだよね。
それ知ってて、上級生が俺を気に入らないって痛め付けられてる時に、あいつそんなに仲良くもしてない俺のために止めに入ってくれたんだよね」
「水瀬くん、うちらと一緒に写真とってよー」
あっという間に彼は女子に囲まれてしまった。
どっかのアイドル顔負けの人気で、私と圭子と田辺くんは自然と三人で集合した。
「写真は嫌いだし撮らねぇよ」
彼は不機嫌そうに女子たちを睨み付ける。
「あれだよねー、あんだけ病的にもてるともう可哀想になるよね。最初は驚いたけど俺慣れたよ」
田辺くんが柔らかい笑顔で彼を見ながら言う。
「女の執念って恐ろしいって思うよね。本人はまったく興味無さそうだし可哀想になってくるよねー。」
圭子も彼を遠い目でみつめながら言った。
「でもあれでも最近なんか柔らかくなったんだ。
入学したころは本当にジャックナイフかってくらい、世界全部が敵みたいな目してた。
俺が仲良くなったのも、俺が偶然先輩に嫌がらせされてたのを助けてくれたからなんだ。」
田辺くんが意外な彼の一面を教えてくれた。
「俺さ、ボクシングやってるから人殴ったら大会とか出られなくなるんだ。
だから喧嘩とか売られたらひたすら逃げるか相手が飽きるまで殴られ続けるしかないんだよね。
それ知ってて、上級生が俺を気に入らないって痛め付けられてる時に、あいつそんなに仲良くもしてない俺のために止めに入ってくれたんだよね」