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第4章 真夏の向日葵

夕食の席は滞りなく済み、一旦部屋に戻る事になった。

相変わらずヤンキーアイドルは女子に囲まれていたので、素通りしてしまう。

本音を言うと、そばにいって話し掛けたりしたいし、寂しいとは思っている。

でも注目を浴びて、あの女子軍団から攻撃されるのは絶対に避けたかった。

圭子が少し同じ部活のひとたちと話すというので、私は先に部屋に戻る事になり、一人で部屋へと向かうところで話しかけられた。

「草壁さん」

振り向くと、そこには同じクラスの宇佐美浩史くんが立っていた。

宇佐美くんは、私と同じく珍しいタイプの黒髪短髪の背の高いさわやか系男子で、サッカー部に所属しているのは知っている。

でも今まで、あまり話した事はなかった。

「あ、宇佐美君。どうしましたか？」

そういうと、彼はさわやかに笑って言った。

「いや、特に用ってわけじゃないんだけど少し草壁さんと話してみたくて。」

彼は知らない間に隣を歩いていた。

一瞬、海渡の視線を感じたように思えたけれど、女子に囲まれている彼がこちらに来るとは思えない。

とりあえず、特に断る理由もないので、少し他愛もない話をしながら歩くことにした。