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第4章 真夏の向日葵

「あなたが私の父親を恨むのは仕方ないでしょう。
でも、それでも私にはどうする事もできない問題です。
私に父の事で謝罪して欲しいのでしょうか？
それなら見当違いもいいところです。」

わたしは、宇佐美くんから目を逸らさずに反論した。

すると、彼は私の手首をつかんだ手を強引に自分のほうに引き寄せる。

反動で、私は彼に抱きつく形になってしまった。

恐怖で私は思わず身を固くする。

「おまえの父親は、おまえがいるから離婚できないと姉ちゃんにいったらしいからさ。
そんな大事なお前を傷つけてやったら、おまえの親父はどんな顔するのかって思って今がチャンスだと思ったわけ。」

そう言い、宇佐美くんが冷たく微笑んだ。

周囲には人の気配はなく、私は窮地に立たされていた。

しかし彼から目をそらさず、逃げるチャンスを探る。

そんな時、背後から声がした。

「てめぇ、一体なにしてんだよ！」

後ろを振り向くと、そこには海渡が宇佐美くんを殺気をもって睨み付けていた。

宇佐美くんがため息をついて、私の手を離す。

「残念、邪魔が入ったみたいだね。また今度ゆっくり話そうね、草壁さん。」

そう言い、宇佐美くんは離れていった。