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茜色の空に
第4章 真夏の向日葵
「大丈夫か?倫子ちゃん。」

私を安心させて労る為か、先生は私を近くのベンチに座らせ昔の呼び名で呼び、ハンカチを渡してくれた。

昔から、政輝先生が隣にいると私は子供らしい子供でいられた。

今となっては、恋なのか憧れだったのか甘える存在がほしかったのか解らない。

それでもやっぱり、政輝先生は安心できる存在。

少しだけ、心の痛みが和らいだ気がした。

「すいません、ここ数日いろんな事がありすぎたし・・・
ほとんど旅行とか学校行事以外できたことがありませんからきっと、慣れなくてストレスがたまってしまったみたいです。」

すべての事を、政輝さんにさらけ出してしまいたかった。

すべて誰かに話してしまえたら、どんなに楽だろうか・・・

そう思った時に、自然と海渡のあのときの顔が浮かぶ。

そうだ。

私は後悔した。

私自分で、あなたに寄り添うって言ったのに。

彼は自分の暗い生まれや、恐怖におびえる生活や、弱い自分をすべて私に見せてくれたのに、私は私自身の小さなプライドで彼に自分の弱さを見せる事ができずに逃げているだけだ。

誰にも付き合っているのを言わないのも、単に私の保身のためで逃げているだけに思えた。

彼はあれだけ、私に寄り添おうとしてくれていたのに・・・
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