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茜色の空に
第5章 真夏の夜の悪夢
倫子と歩いていると、家の前が騒がしい。
下の階のおばちゃんが、かなりおろおろしている。
俺はおばちゃんに話しかけた。
「おばさん、なんかあったのかよ?」
おばちゃんは俺に飛び付いて言った。
「あんたどこいってたんだ!
月光君が家を出たまま帰ってないんだ!
あんたのお母さんは相変わらずいないし……」
今は午後8時。
月光は昼まで友達の家にいて、4時くらいまでおばさんの家にいたらしい。
だが、近くの公園に忘れ物をしたといってとりにいったきり戻ってきていないそうだ。
おばさんは心配になって警察に通報したらしい。
俺は頭が真っ白になった。
月光は俺みたいに無断で遊び回る馬鹿じゃない。
誘拐されたか、または事故にあったかどちらかしかない。
「弟さんのいく先に心当たりは?」
警察に聞かれたが、あいつが母親を追って遠出するとも思えない。
心当たりがあるとすれば……
「父親が行き先を知ってるかもしれねぇ……白井亮太……白井組の若頭です……」
倫子に知られたくはなかった。
月光の父親が暴力団の跡取りなんて。
感情を抑える為に、俺は拳を強く握りしめた。
下の階のおばちゃんが、かなりおろおろしている。
俺はおばちゃんに話しかけた。
「おばさん、なんかあったのかよ?」
おばちゃんは俺に飛び付いて言った。
「あんたどこいってたんだ!
月光君が家を出たまま帰ってないんだ!
あんたのお母さんは相変わらずいないし……」
今は午後8時。
月光は昼まで友達の家にいて、4時くらいまでおばさんの家にいたらしい。
だが、近くの公園に忘れ物をしたといってとりにいったきり戻ってきていないそうだ。
おばさんは心配になって警察に通報したらしい。
俺は頭が真っ白になった。
月光は俺みたいに無断で遊び回る馬鹿じゃない。
誘拐されたか、または事故にあったかどちらかしかない。
「弟さんのいく先に心当たりは?」
警察に聞かれたが、あいつが母親を追って遠出するとも思えない。
心当たりがあるとすれば……
「父親が行き先を知ってるかもしれねぇ……白井亮太……白井組の若頭です……」
倫子に知られたくはなかった。
月光の父親が暴力団の跡取りなんて。
感情を抑える為に、俺は拳を強く握りしめた。