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茜色の空に
第2章 青い春
しかし次の一言で、私の恋心は見事に打ち砕かれたのである。

「申し訳ないが、来週わたしは一週間休暇をもらうことになった。その間は、山岸先生が授業を引き受けてくれるそうだ。」

そして、まさかのその次の発言に爆弾が仕込まれているとは露知らず。

「すまないが、結婚式休暇だ。私用で申し訳ない。」

彼のそのひとことが、私を絶望の淵に突き落としたのである。

教室は冷やかしと悲鳴に一瞬で支配された。

政輝先生がまさかの結婚!?

こうして、私の初恋は入学して1ヶ月で終わりを迎えたのです。

「どうしたの?リンコ。顔真っ青だよ?具合悪いの?」

圭子が心配してわたしに話しかける声すらわたしに届かないくらい、私は不幸のどん底に突き落とされていた。

はじめて恋心を感じたのは、初めて政輝先生にあった13歳のとき。

彼の優しい笑顔とその声に惹かれた。

それからはや4年。

まさかこんな形で初恋が終わりを告げるなんて…

ショックのあまり、どうやって帰ってきたか覚えていない。

気が付くと、茜色に染まった近所の児童公園のベンチに座り、茜色の空を見上げていた。

ひとつだけ、いつもと違っていたのはそこに私より先客がいたことだ。

そう。

傷だらけの、野獣のような彼が。
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