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茜色の空に
第5章 真夏の夜の悪夢
呼ばれて目を見開いた!

真っ白な天井。

ここは天国か!?

眩しくて思わず目を細めると、そこには泣いてる倫子の顔があった。

「あれ?俺死んだ??ここ天国?」

俺がつぶやくように言うと、倫子の目からは次々と涙が溢れる。

「よかったです……本当に……もう目覚めないかと思いました……」

倫子が涙を流しながら笑った。

ああ、この笑顔が大好きだ……そう思ってあたりを見回してみる。

真っ白なカーテン、窓の外には青空。

何台も並ぶベッド、白衣を着た人が立ってる。

ああ、俺助かったのか。

そう気づいた。

「3日も眠っていたんですよ……頭を殴られて……」

倫子は悲しそうに言った。

「栄吉とかサッカー部のやつらとか……助かったのか?」

俺がそうつぶやくと、倫子の顔が少し曇る。

「田辺くんは走って警察呼びにいったから無事です。
他の人たちも怪我をしたから無事でした。
ただ、宇佐美くんと月光くんだけが行方不明で……」

倫子はそう言って口を閉ざす。

なんとなく結末は解っていた。

月光は白井に連れ去られた。

宇佐美は……命が危ないか、またはどっかに売られたか……想像もしたくねぇのでやめた。
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