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茜色の空に
第6章 秋風の狂詩曲
「女の部屋に入るとか…はじめてだから落ち着かねぇ……」

海渡は部屋にきてがちがちに緊張していた。

仔犬みたい……なんかその姿を見ると愛しくて仕方ない。

とりあえず買ってあるお茶をグラスにそそぐ。

「まだ殺風景ですが、ずっと誰も待っていない広い家にいるよりも一人暮らしのほうが落ち着きます。」

そう言ってソファーに座ると、そっと海渡が抱き寄せてきた。

「やっぱり我慢しようとしたけど無理。
こんな状況で、倫子に触れないようにしようとか思ってたのにもう限界……」

そう言って海渡はわたしを抱き締める。

あの事件以来、あんまり二人きりでゆっくりできることができなかった分、海渡の匂いを感じられるのは久々な気がした。

「私も、ずっと海渡に触れたかったです……」

私がそう言って顔をあげると青い瞳と視線が絡み合う。

そのまま自然に、そっと口づけられた。

段々とキスが深くなる……

唇を舌でなぞられ、舌が歯と歯の間をなぞり侵入してくる。

舌を絡められると、思わず声が漏れてしまう。

「あっ……」

声が漏れると海渡の息が乱れてキスがより激しくなった。

そして海渡の左手が私の腰にあてられ、右手が胸におりてきた。
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