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茜色の空に
第6章 秋風の狂詩曲
明日も学校だから帰るといって海渡は夜に出ていった。
夕飯でもと思ったが、彼の母親が珍しく家にいるらしく話さなければいけない事があるらしい。
そして彼を送り出すと、やはり身体が負担を感じていたらしくぐっすりと寝てしまった。
早朝に、ドアからカタンと何かが投げ込まれた音がし一瞬目が覚める。
ベッドからおりて、ゆっくりとドアに向かい、郵便受けを見ると手紙のようだった。
白い封筒には何も書いていない。
不審に思いドアをあけると、そこには誰もいない。
嫌な予感がして、寝巻きのままあたりを走るけれど誰の気配もなかった。
まさか……まさか……
手紙をあける手が震える。
ただのイタズラかもしれない……そう思いながら飛び込んできたのは見慣れた筆跡。
涙で字がかすむ。
大好きな字。
見た目とはまったく逆の繊細できれいな字。
頭は悪いけど字はきれいなんだといつも自慢していた。
「あなたはなんで最後だけ…わたしに上手く嘘をつけたのでしょう…あんなに嘘が下手だったじゃないですか……なんで……」
そう言いながらその場にしゃがみこむ。
そう。
その手紙は。
愛するあのひとの、別れを告げる手紙だった。
夕飯でもと思ったが、彼の母親が珍しく家にいるらしく話さなければいけない事があるらしい。
そして彼を送り出すと、やはり身体が負担を感じていたらしくぐっすりと寝てしまった。
早朝に、ドアからカタンと何かが投げ込まれた音がし一瞬目が覚める。
ベッドからおりて、ゆっくりとドアに向かい、郵便受けを見ると手紙のようだった。
白い封筒には何も書いていない。
不審に思いドアをあけると、そこには誰もいない。
嫌な予感がして、寝巻きのままあたりを走るけれど誰の気配もなかった。
まさか……まさか……
手紙をあける手が震える。
ただのイタズラかもしれない……そう思いながら飛び込んできたのは見慣れた筆跡。
涙で字がかすむ。
大好きな字。
見た目とはまったく逆の繊細できれいな字。
頭は悪いけど字はきれいなんだといつも自慢していた。
「あなたはなんで最後だけ…わたしに上手く嘘をつけたのでしょう…あんなに嘘が下手だったじゃないですか……なんで……」
そう言いながらその場にしゃがみこむ。
そう。
その手紙は。
愛するあのひとの、別れを告げる手紙だった。