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第3章 【太郎 side】
─────…

「精さん、半年も一体どこで何してたの!?」

帰宅したマホさんは買い物袋を放り出し、精多郎に泣きながら抱きついた。
精多郎はそんな愛妻の頭を小さい子でもあやすように撫で、
「かんにんなぁマホちゃん。そんな泣かんと、な?ほら美味しいアメちゃんあげるさかい」
カラフルなキャンディをポケットから出してマホさんの口に入れる。

「ん…おいひぃ」

マホさんが顔をあげ、健気に微笑むと
「せやろ?魔法のアメちゃんやねん。ほら、お前らも食べぇ」
調子にのった精多郎はもう一度ポケットに手を突っ込み、冷めた目で見つめていた俺たちにもキャンディを寄越した。

子供じゃあるまいし、と思いつつも精多郎の性格からして、この場で食べないと絶対に駄々をこねて面倒なことになると知っている俺たちはしぶしぶ口に含んだ。

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