この作品は18歳未満閲覧禁止です
Familyシャッフル
第3章 【太郎 side】
「いま帰ったでぇ!」
チャイムも鳴らさず玄関を開け放った男に、一瞬『誰だ?』と、本気で思った。
「なんや、太郎だけしかおらんのかいな。マホちゃんらはどないした?」
しかし純粋な関西人とはかけ離れた怪しげな似非関西弁を操るその声、髭だらけの男の顔はよくよく見れば半年近く行方をくらませていた父、精多郎ではないか。
「え、と…買い物?」
「なんで疑問形やねん!」
バシッと嬉しそうに突っ込みを入れる精多郎に、俺はうっすらと殺意を抱く。