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令嬢は元暗殺者に恋をする
第10章 新たな出会い
 そして、翌日から、サラのハル探しが始まった。

 とはいえ、実際にハルを探す手がかりとなるようなものは何一つない。それ以上に、ハルがまだ、このアルガリタの町にいるかどうかも怪しいものであった。

 この町だけを根気よく探すのなら、まだどうにかなるかもしれない。
 問題は他の町や村に行ってしまった場合。
 それ以上に最悪なのは、アルガリタの国を出ていってしまった場合である。

 この広いアルガリタの国で確固とした手がかりがないまま、人ひとりを探そうなどとは無謀極まりないことだから。

 それに、自分に与えられた時間は限られている。

 ベゼレート先生は気を利かせ、一ヶ月ほど様子をみたいと屋敷に申し出てくれたが、祖母は先生の意見に首を縦に振らなかった。

 二週間後に屋敷で開かれる夜会までには、サラを健康な状態に戻すこと。
 それが祖母が出した条件であった。

 孫娘の身体の様態よりも、世間体のほうが祖母にとっては大切らしい。

 与えられた期限はあまりない。
 それまでに、ハルの手がかりを、もちろんできることなら本人を見つけださなければならない。

 テオもすぐに書状をしたため、各地にいる薬組合の仲間たちにこのことを知らせてくれた。
 ハルらしき人物に心当たりがあれば、すぐに連絡を欲しいと。

 テオは仕事を持っているし、自由に身動きのとれる状態ではない。けれど、町に知り合いすらいないサラにとっては、とてもありがたかった。

 夜明けとともに起き、テオにお昼のお弁当をこしらえてもらい、夕方の鐘の音を聞くまでサラは町を歩き回った。
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