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令嬢は元暗殺者に恋をする
第12章 やっと再会できたのに
 サラは大きくシンを振り仰ぐ。
 相手は何も答えない。

 つまり、それは自分の考えがあたっているということ。

 ハルがこんなところにいるなんて……。
 どうしよう、怖い。
 でも、この扉の向こうに、ずっと会いたかったハルがいる。

「やめておくか? まあ、そのほうがあんたのためだ」

「いいえ……」

 ここで引くわけにはいかないと、そろりと震える手で扉に手を伸ばそうとしたその時。

「あれ? 頭(かしら)、そんなとこで何してんですか?」

「こんな真っ昼間に頭の姿を見かけるなんて、珍しいっすね」

 緊張感の抜ける陽気な声が背後から響いた。

 振り返ると、二人の年若い少年たちが、こちらに向かって小走りでやって来る。

「頭? 頭って何?」

 サラはシンと現れた少年たちを交互に見て、何のこと? と首を傾げる。

「何でもない。気にするな」

「あれ? 女の子がこんなとこに。まさか頭の新しい女ですか? にしては……」

 少年たちは遠慮のない目でサラを頭から足下までざっと見下ろし、最後に胸元に視線を固定する。

「顔は可愛いけど……こう言っちゃなんですが、それ以外はぜんぜん、足りてないっすね……ぜんぜん……」

「ぺったんこ」

「ちょっと! どうしてそんな気の毒そうな目で私の胸を見るわけ?」

「頭、女の趣味変えたんですか?」

「そんなんじゃねえよ」

 ですよねーと、少年たちは納得したように揃ってうなずく。

「あなたたちずいぶん失礼じゃない。何なの!」

 少年たちに食ってかかろうとするサラを、シンはまあまあ、と手で制してなだめる。
 それでも唇を尖らせるサラの頭にぽんと手を置きなでた。

「おまえらも、面と向かって女にそういうこと言うもんじゃねえぞ」

「す、すみません」

「ごめんなさい!」

「でも、頭の女じゃないとするとそのお嬢ちゃん、ここで何してるんすか?」

「ここにいる人物にちょっとな」

 と、シンは親指を立て、背後の家を差す。
 少年たちは互いに目を見合わせ、そして、ぎょっとする。
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