この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第2章 出会い
サラは息を飲み立ちつくした。
綺麗な瞳……。
思わず心を奪われてしまうほどの美しい瞳であった。しかし、美しいのは瞳だけではない。
透き通る白い肌に細面の顔貌。
ひたいにかかる柔らかな黒髪は、陽光の加減によっては青みがかったようにも見えた。
まとう雰囲気に色香を匂わせ、どこか儚げな雰囲気さえ感じさせる。
そして、その容姿から察するに、彼は異国の者。
おそらく北方大陸の出身か。
綺麗な男の人……。
ふと、サラは我に返った。
私ったら……何、考えているの。
そんなことよりも。
少年に向かって恐る恐る歩み寄り、あとわずかで触れあえる位置へと近づく。
「ひどい怪我……すぐに手当をしないと」
伸ばしかけたサラの手が虚空で止まる。
触れようとした瞬間、少年の藍の瞳に峻烈な光が浮かび上がったからだ。
先ほどまで瞳の奥で静かに揺れていた蒼い炎が、全てのものを巻き込み、容赦なく喰らいつくす激烈な炎へと変化しサラを射抜く。
身にまとう雰囲気さえ一変し、放たれる気が回りの空気をも一瞬にして変えてしまった。
これ以上、自分に近づく者はたとえ誰であろうと容赦しない、といわんばかりの鋭い気であった。
たおやかな見かけとは裏腹に、この少年は危険だとサラは瞬時に悟る。
さらにサラは背筋を凍りつかせた。
剣の鞘を握る少年の手に、力が込められたことを見逃さなかった。
「ま、待って! 私は味方よ!」
わかるでしょう? と両腕を大きく開いてまったくの丸腰であることを相手に示す。
そんなことをせずとも、見ればわかるだろうが、それが彼女なりの精一杯であったのであろう。
こ……言葉、通じているかしら……。
切羽詰まった表情がサラの顔ににじむ。
自分を信じて欲しい。
どうすれば、それを相手に伝えることができるのか。
綺麗な瞳……。
思わず心を奪われてしまうほどの美しい瞳であった。しかし、美しいのは瞳だけではない。
透き通る白い肌に細面の顔貌。
ひたいにかかる柔らかな黒髪は、陽光の加減によっては青みがかったようにも見えた。
まとう雰囲気に色香を匂わせ、どこか儚げな雰囲気さえ感じさせる。
そして、その容姿から察するに、彼は異国の者。
おそらく北方大陸の出身か。
綺麗な男の人……。
ふと、サラは我に返った。
私ったら……何、考えているの。
そんなことよりも。
少年に向かって恐る恐る歩み寄り、あとわずかで触れあえる位置へと近づく。
「ひどい怪我……すぐに手当をしないと」
伸ばしかけたサラの手が虚空で止まる。
触れようとした瞬間、少年の藍の瞳に峻烈な光が浮かび上がったからだ。
先ほどまで瞳の奥で静かに揺れていた蒼い炎が、全てのものを巻き込み、容赦なく喰らいつくす激烈な炎へと変化しサラを射抜く。
身にまとう雰囲気さえ一変し、放たれる気が回りの空気をも一瞬にして変えてしまった。
これ以上、自分に近づく者はたとえ誰であろうと容赦しない、といわんばかりの鋭い気であった。
たおやかな見かけとは裏腹に、この少年は危険だとサラは瞬時に悟る。
さらにサラは背筋を凍りつかせた。
剣の鞘を握る少年の手に、力が込められたことを見逃さなかった。
「ま、待って! 私は味方よ!」
わかるでしょう? と両腕を大きく開いてまったくの丸腰であることを相手に示す。
そんなことをせずとも、見ればわかるだろうが、それが彼女なりの精一杯であったのであろう。
こ……言葉、通じているかしら……。
切羽詰まった表情がサラの顔ににじむ。
自分を信じて欲しい。
どうすれば、それを相手に伝えることができるのか。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


