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令嬢は元暗殺者に恋をする
第13章 心を動かされたのは……
「気が済むまであんたにつき合ってあげるから機嫌直してよ。何かして遊ぶ? それともどこかに行く? きれいな夕陽が見えるとこ知ってるから連れていってあげようか。それとも、もしかしてお腹空いた? 何か食べたい? おやつの方が好き? 甘いもの食べに行く? 何が好き? だから、もう泣かないで」
目を真っ赤にして唇を噛みしめるサラの頭に手を置きくしゃりとなでる。
が、次の瞬間。
「うわっ! いてててっ!」
突然、シンは悲鳴を上げ、右足のつま先を押さえて飛び跳ねた。
サラのかかとがシンの足の先を思いっきり踏みつけたのだ。
さらに、頭の上に置いた手も邪険に払いのけられる。
「お、おまえ……」
「子どもあつかいしないで!」
「だって、子どもだろ?」
「子どもじゃないわ!」
「……ふーん」
半分まぶたを落とし、シンは腕を組んでサラを見下ろす。
その濃い紫の瞳に、得たいの知れない光が過ぎった。
やにわにシンは腰をかがめ、ベンチの背もたれにサラの身体を挟むように両手をついた。
何? とサラは驚いて身を引くが、ベンチの背にはばまれてしまう。
さらに両脇に置かれたシンの手のせいで、逃げ場はない。
「そういえば俺、あんたの名前、聞いてなかった」
サラもあっ、と声を上げ口許に手をあてた。
「私、名乗ってなかった……」
「最初は聞く必要なんてない、興味もないと思ってたから、だから俺も尋ねなかったんだ。教えてくれる?」
「サラよ」
「そう、可愛い名前だね。サラ」
目を真っ赤にして唇を噛みしめるサラの頭に手を置きくしゃりとなでる。
が、次の瞬間。
「うわっ! いてててっ!」
突然、シンは悲鳴を上げ、右足のつま先を押さえて飛び跳ねた。
サラのかかとがシンの足の先を思いっきり踏みつけたのだ。
さらに、頭の上に置いた手も邪険に払いのけられる。
「お、おまえ……」
「子どもあつかいしないで!」
「だって、子どもだろ?」
「子どもじゃないわ!」
「……ふーん」
半分まぶたを落とし、シンは腕を組んでサラを見下ろす。
その濃い紫の瞳に、得たいの知れない光が過ぎった。
やにわにシンは腰をかがめ、ベンチの背もたれにサラの身体を挟むように両手をついた。
何? とサラは驚いて身を引くが、ベンチの背にはばまれてしまう。
さらに両脇に置かれたシンの手のせいで、逃げ場はない。
「そういえば俺、あんたの名前、聞いてなかった」
サラもあっ、と声を上げ口許に手をあてた。
「私、名乗ってなかった……」
「最初は聞く必要なんてない、興味もないと思ってたから、だから俺も尋ねなかったんだ。教えてくれる?」
「サラよ」
「そう、可愛い名前だね。サラ」

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