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令嬢は元暗殺者に恋をする
第15章 星夜の語り
シンの問いかけに、カイは顔を歪め即座に切り返す。が、すぐに挑戦的な眼差しをこちらに向けてにっと笑った。
「それとも、あいつに会ってくればいいのか?」
「いや、いい!」
シンは慌てて手を振った。
会えば会ったで、ただでは済まないことはわかりきっている。
これ以上、血なまぐさいことも勘弁だ。
「悪いが俺は当分、裏街には戻れそうにもない。しばらくおまえに任せた」
けれど、カイは無言だ。
「おまえの他に頼める奴はいないだろ? 頼りにしてるぜ、カイ」
「わかった。それにしても……」
まったく、おまえほどの男が何やってんだ、と小声で呟き、カイはふいっとそっぽを向く。
裏街の頭であるシンに頼りにしていると言われ、どうやら照れているらしい。が、すぐに真っ直ぐな目でこちらを見上げる。
「で、しばらくというのはいつまでだ?」
うっ、とシンは言葉をつまらせた。
おそらくこの調子だと、すぐにあの少女から解放されるとも思えない。
二日、三日?
それとも一週間?
それ以上?
まったく検討もつかなかった。
「それはだな、まあ、あれだ……」
「シンおまえ、女難の相が出ている」
「え! まじか? どうりで最近ついてないと……」
「冗談だ」
シンははあ、と大きな息をもらす。
「勘弁してくれ……おまえがそれを言うと、洒落にならねえことくらい自分でわかってるだろ?」
「とにかく、さっさと面倒ごとを片付けて戻って来い」
「わかってるよ」
そこへ。
「はいるわよ」
突然、サラの声がしたかと思うと、こちらの都合もかまわず、扉を開けするりと部屋へすべり込んできた。
「それとも、あいつに会ってくればいいのか?」
「いや、いい!」
シンは慌てて手を振った。
会えば会ったで、ただでは済まないことはわかりきっている。
これ以上、血なまぐさいことも勘弁だ。
「悪いが俺は当分、裏街には戻れそうにもない。しばらくおまえに任せた」
けれど、カイは無言だ。
「おまえの他に頼める奴はいないだろ? 頼りにしてるぜ、カイ」
「わかった。それにしても……」
まったく、おまえほどの男が何やってんだ、と小声で呟き、カイはふいっとそっぽを向く。
裏街の頭であるシンに頼りにしていると言われ、どうやら照れているらしい。が、すぐに真っ直ぐな目でこちらを見上げる。
「で、しばらくというのはいつまでだ?」
うっ、とシンは言葉をつまらせた。
おそらくこの調子だと、すぐにあの少女から解放されるとも思えない。
二日、三日?
それとも一週間?
それ以上?
まったく検討もつかなかった。
「それはだな、まあ、あれだ……」
「シンおまえ、女難の相が出ている」
「え! まじか? どうりで最近ついてないと……」
「冗談だ」
シンははあ、と大きな息をもらす。
「勘弁してくれ……おまえがそれを言うと、洒落にならねえことくらい自分でわかってるだろ?」
「とにかく、さっさと面倒ごとを片付けて戻って来い」
「わかってるよ」
そこへ。
「はいるわよ」
突然、サラの声がしたかと思うと、こちらの都合もかまわず、扉を開けするりと部屋へすべり込んできた。

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