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令嬢は元暗殺者に恋をする
第2章 出会い
 乱暴に手を払いのけられても、サラは決して引こうとはしなかった。
 むしろ、いっそう声を張り上げ目の前の少年を叱りつける。

「動かないでって言ってるでしょう!」

 どうして、こんなにもこの人のことが気にかかるのか。
 本当は怖くてたまらないのに、それでも放っておくことができない。

「お願いだから、私の言うこときいて……」

 衣装が血で汚れてしまうのもかまわず、サラは冷えた少年の細い身体を抱き込むように両腕を回した。

「おまえ……」

 サラは肩越しに、護衛の男たちを振り返って厳しい視線を放つ。

「彼をベゼレート先生の所へ連れて行って」

 男たちは困惑顔で互いに目を見交わす。

「彼を見殺しにするなら、私もここで死ぬ!」

 無茶なことを言っているのはわかっている。

「サラ様……ご冗談は……」

「本気よ! 先生の所に連れていってくれるまで、私、彼から離れない」

 サラは少年の胸に顔を埋め、ぎゅっとしがみついた。

 小柄だと思ってたけど、以外と背が高いのね。
 華奢に見えるけどそうでもない。

 ふと、血の臭気に混じって別の香りがサラの鼻腔をかすめていった。

 甘い香り……香水?
 いいえ、違う。
 花の匂い。

 途端、目眩を覚えて足下をふらつかせる。

 どうしよう……頭がふわふわする。

「お願い、この人を……ベゼレート先生の所へ……連れて……」

 こらえるように歯を食いしばり、再度男たちをかえりみる。
 その表情は相手を怯ませるほどの凄まじさがあった。

「お願い!」

 声を張り上げると同時に、サラの身体が崩れ落ち、支えられた少年の腕の中で気を失ってしまった。
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