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令嬢は元暗殺者に恋をする
第16章 再びハルに会いに
「おまえ、今鼻で嗤いやがったな。それもばかにしたように」

「別に」

「別にじゃねえだろ。間違いなく鼻で嗤いやがった」

「気のせいだろう?」

「っていうか、筋取りやれって言ったのおまえだろ! ほんと、むかつく奴だな。いいから、おまえは大好きな師匠のところにでもいってろ」

 邪魔だ、あっちに行けと追い払う仕草で手を振るシンだが、ふと真顔になる。

「そういえば、あいつの姿が見えないけど、どこに行った?」

 テオもはっとなって、確かに……と考え込むように腕を組んだその時。

 大変です! という声とともに、ひとりの男が現れ、窓から身を乗り出してきた。
 シンの仲間、裏街の者だ。
 急いで駆けつけてきたのか、息があがり苦しそうに顔を歪めている。

「サラっていう娘が、裏街に現れて!」

 シンは咄嗟に椅子から立ち上がった。
 手にしていたさやえんどうが、ぽろりとテーブルに落ちる。

「あいつ……」

「何人かの奴にからまれて……からんだのはもちろん、俺たちの仲間じゃなくて……」

 つかつかと足早で窓辺に歩み寄り、テオは窓越しにその男の胸ぐらをつかみ、激しく揺さぶる。

「サラは無事か? 怪我は……怪我はしてねえよな!」

「そ、それは……」

 男はちらりとシンに視線をやり、ひっと喉の奥で悲鳴をつっかえさせる。
 シンの鋭い目つきにすっかりと怯えてしまったようだ。

「す、すみません! そこまで確認は……! で、でも、すぐに助けが現れて……その後、いったん自分の家に連れて帰るとカイさんが言って。いや、言ったのはカイのとこのエレナさんで……エレナさんが何で裏街に現れたのかというと、それはその……あいつが現れて……でも、大丈夫なはずです!」

 次第に男の言っていることが支離滅裂となってきた。
 椅子に立てかけてあった剣をつかみ、シンは言葉もなく厨房から去っていこうとする。
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