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令嬢は元暗殺者に恋をする
第17章 あなたの瞳に私をうつして
「ただ、ハルに会いたかっただけなの。どんなに拒絶されてもハルのこと、あきらめたくないと思ったから。私……ハルの側にいることを許されたい。ハルにとっての特別な存在になりたい。ハルの気持ちが手に入るのなら、他には何もいらない。何も望まない」

 一気に言って、サラは息をつく。

 どうすれば、彼の心を動かせるのだろうか。
 どうすれば、私の存在を認めてくれるのだろうか。

「私胸が苦しいくらい誰かを好きになったのは初めて。本気なの。本気でハルのことが好きなの!」

 先ほどまでの勢いも失せ、首をうなだれてぽつりとサラは呟く。
 もっと、この気持ちをうまく伝えることができればいいのに。

 ひどくもどかしいと思った。

 手を強く握りしめ、こぼれ落ちそうになる涙をこらえながら、サラは真っ直ぐハルを見上げた。

「あなたの瞳に私をうつして」

 落ちた沈黙が二人の間に流れる。

 お願い何か言って。
 これで突き放されてしまったら、私の気持ちを拒絶されてしまったら、私はもうどうしたらいいのかわからない。

 あきらめないと誓った心が、くじけそうになったその時。
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