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令嬢は元暗殺者に恋をする
第18章 カイの秘密
その視線がカイの少し開いたシャツの胸元からのぞく、きらりと光るペンダントにとまり、サラは驚きに口を開けた。
こ、この人……。
嘘でしょう!
今さら気づいたとでもいうように、サラはテーブルの脇に置かれている両手のひらにのっかるほどの大きさの水晶と、無造作に置かれた奇妙な絵柄のカードに視線を移す。
「水晶……タロット……」
サラは小首を傾げ、訝しむように目の前に座るカイをもう一度見る。
「あなた、占い師?」
エレナさんは街でお針子をやっていると言っていた。だとしたら、これらを使用する人物は目の前のカイという男しか存在しない。
「俺が占い師に見えないって顔だな」
「違う。そうじゃないわ」
カイはにやりと笑った。
「占いに興味があるか? もっとも、占いが嫌いな女なんていないだろうがな。どうせ俺も手持ち無沙汰だ。何なら暇つぶしに占ってやってもいいぞ。たとえば、おまえの恋の行方でも」
しかし、サラはふるふると勢いよく首を振った。
「私、占いにはとても興味あるけど、自分のこと占って欲しいとは思わないの」
へえ、とカイは興味深そうに眉をあげた。
「だって、悪い結果が出たら落ち込んでしまうし、それに占いなんかで私の未来を左右されたく……」
そこまで言って、サラは慌てて口許を手で押さえた。
占い師を前にして、占いなんかとは失礼な言い方であったと思ったからだ。
「気にするな」
「それに、カイさんに……」
「カイでいい」
「えっと……カイに占ってもらうなんて恐れ多すぎるし、占いの代金を支払う大金なんて、私持っていないもの」
カイはついた頬杖に軽くあごを沈め、上目遣いでサラを見る。
「カイはただの占い師じゃない。だってそれ」
サラはそれといって、カイのシャツからのぞくペンダントを指さした。
艶やかな光を放つ白銀のペンダント。
そのペンダントの表面には精密に彫り込まれた絵柄、そして、宝石が嵌められていた。
こ、この人……。
嘘でしょう!
今さら気づいたとでもいうように、サラはテーブルの脇に置かれている両手のひらにのっかるほどの大きさの水晶と、無造作に置かれた奇妙な絵柄のカードに視線を移す。
「水晶……タロット……」
サラは小首を傾げ、訝しむように目の前に座るカイをもう一度見る。
「あなた、占い師?」
エレナさんは街でお針子をやっていると言っていた。だとしたら、これらを使用する人物は目の前のカイという男しか存在しない。
「俺が占い師に見えないって顔だな」
「違う。そうじゃないわ」
カイはにやりと笑った。
「占いに興味があるか? もっとも、占いが嫌いな女なんていないだろうがな。どうせ俺も手持ち無沙汰だ。何なら暇つぶしに占ってやってもいいぞ。たとえば、おまえの恋の行方でも」
しかし、サラはふるふると勢いよく首を振った。
「私、占いにはとても興味あるけど、自分のこと占って欲しいとは思わないの」
へえ、とカイは興味深そうに眉をあげた。
「だって、悪い結果が出たら落ち込んでしまうし、それに占いなんかで私の未来を左右されたく……」
そこまで言って、サラは慌てて口許を手で押さえた。
占い師を前にして、占いなんかとは失礼な言い方であったと思ったからだ。
「気にするな」
「それに、カイさんに……」
「カイでいい」
「えっと……カイに占ってもらうなんて恐れ多すぎるし、占いの代金を支払う大金なんて、私持っていないもの」
カイはついた頬杖に軽くあごを沈め、上目遣いでサラを見る。
「カイはただの占い師じゃない。だってそれ」
サラはそれといって、カイのシャツからのぞくペンダントを指さした。
艶やかな光を放つ白銀のペンダント。
そのペンダントの表面には精密に彫り込まれた絵柄、そして、宝石が嵌められていた。

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